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日常の記録。

心を溶かす治療はどうしたらできるのか

今日は休日。東京は雨。

 

日曜日は机に向かってガリガリ勉強せずダラダラすると決めているので、晴耕雨読宜しく今日はダラダラと本を読んでいる。読んでいるのは中医学の入門書。

 

で、読みながらふと考える。

 

「自分が正しくて、そうじゃない人は許せない」

 

そんな気持ちは、体調に影響するなぁ…と。

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身近な知り合いでこれに該当する人がいて、その人の体調不良の一因は、なんとなく上に書いたような気の持ち様からきてるんじゃないかなぁ…と本を読みながらふと思った。

 

割と頻繁に直接会う方だから、免許を取ったら治療をする可能性は十分ある。多分頼まれるのは運動器へのアプローチだろうけど、私としてはちゃんと勉強してその人が長年抱えている持病のケアをしてあげたい。(頼まれてないのにやるつもりはないけど、希望する治療の中に負担のない範囲でそっと組み入れるとか、まぁ治療方針はちゃんと説明しないとだめだけど…)

 

でも、その時に、その人が持っている「自分が正しいことをしてるのに、それをやってない人は許せない」という気持ちは、すごく厄介になる気がした。

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この人が抱くような気持ちを、私は共感できる。なぜなら自分もそう思うことが多かったから。だけど、そう思ってしまう自分がしんどくて、生きづらさを感じて、色々と試行錯誤しながら、そういう気持ちを少しずつ溶かしてきた…と思う。今でも時々「ムムムッ」と思ってしまうこともあるけれど、そう思ってしまう自分を認めながらも、それが他者に向けた怒りや攻撃、あるいは自分のストレスに変化してしまわないように気をつけている(つもり)。それは体調の良さにも少なからず貢献していると思う。

 

ただ、みんながみんな自分の気持ちに自覚的ではないし、自分とて完璧ではないから、他者のそれに気付いたところで、どうこうできるものではないような気もする。でも、その感情を取り除いてあげたほうがなんとなく治療は上手くいく気がする。

 

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「自分は正しい!正しいことをしていない連中は間違っている!許せない!」

 

相手の気持ちに同調する?正しい選択をしている相手を認めてあげる?正しいことをしていない人達の言い分も説く?他の見方を示唆する?安易な同調やこちらの考える正しさ、あるいは中庸な物の見方を促すこと、どれも合ってるようで違ってるようで…

 

相手がこちらの話に耳を傾ける心の余裕があれば…などと思うのもこちらの正しさの押し付けな気がする…

今目の前にそういう状況があったら、どうするかなぁ。相手がそういう思いを抱くに至った背景、その人の性格、思考なんかをよくよくよーく聴いて、その人自身を認めて、その上で、こういう考え方もあるよ、って示せたら示す、かなぁ…わからん。難題だ。

 

 

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私自身、治療者の言葉に耳を傾け、頑なになった心(=ストレス、とも言える)が溶かされていくような治療を受けた経験があるけれど、振り返れば、それは私が、治療してくれる施術者を物凄くリスペクトしていて、かつ最初からかなり信用していたからだと気付く。

 

患者と治療者との信頼関係が出来ている→例えば気機を失調させている余計な感情やストレスなどを取り除くアプローチができる→治療効果がより発揮され易くなる

 

みたいな。治療技術が絶対大事なのは大前提として、信頼関係の形成も同じくらい大事だなぁ…

 

以前ある先生から「どんなに上手い術者でも、最初に“こいつは信用できない”と思われたら、患者の身体は緊張して硬くなり、どんなに良い技術でアプローチしてもほぐせない」という話を聴いたけど、それと同じことかなぁ、と思う。

 

学校でも、ラポール形成の話は耳にタコが出来るくらい聞かされてるし。

 

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世の中の全てを自分が思う「正しい世界」にすることはできないから、強過ぎる「自分は正しい!他の連中は間違っている!」という思いは、思うようにならない、上手くいかない、というストレスになってその人の色々なものを蝕んでしまう気がする。

 

私だって、世の中や、色んな人の色んな言動に思う所はいっぱいある。だからそう思う気持ちは分かる。分かるけど、そんな気持ちをずっと両手いっぱいに抱えていたらしんどいよ?その気持ち一回放してみよう?

 

そんなアプローチが、できたらいいなぁと思いつつ…まぁまずは、信用してもらえるように東西問わず医学のお勉強だな。