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日常の些事。

関西お灸の旅-3日目・均整灸セミナー-

旅の記録の続き。

(前回の記事はコチラ)

 

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3日目は今回の関西旅行のメインイベント、スペインの理学療法士鍼灸師でもあるフィリップ・カウデット先生による均整灸のセミナーに参加した。

 

参加の動機は「お灸で姿勢を整えるってどういうことだ?」だった。

 

自分の中でお灸と言えば、内科疾患、筋や神経性由来の痛み、メンタルの不調、不眠の改善、などによく使うイメージで割と万能というか色々使える手法だと思っている。そのつもりで今勉強している。私自身はまだ駆け出しでお灸で治療できるぞ!という域には全然達してないけど、私ができるかどうかは置いておいて、お灸にはそういう効能があると思う。実際多くの患者の不調がお灸で改善しているのを目の当たりにはしている。

 

が、理学療法的に灸を使うというイメージはあまりない。鍼灸師理学療法士のダブルライセンスの先生の話も聞いたことは何度もあるが、大体みんな鍼との併用で灸の話は聞いた記憶がない。

 

名著と言われる『鍼灸真髄』には昭和のカリスマ・沢田健がお灸で姿勢をバンバン治している臨床例がたくさん載っているが、今のところそういう劇的な場面に出会したこともない。

 

理学療法でお灸だけで治療???どうやって???もしそれを知ることができたら自分の中にあるお灸の効能のイメージがもっと広がるのではと思ったのが参加のきっかけ。

 

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当日は前日までの暑さとは打って変わって曇天の寒い一日だった。

前日まではノースリーブでうろちょろしていたのに急に寒くなって怯んだ。コンビニでカイロを買って肩甲間部に貼った。ここに貼ると全身が温まるんだ。

 

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初めて訪れた森ノ宮医療大学。有名だけど関東圏出身者的には馴染みが薄くて、初めての森ノ宮にドキドキした。

 

余談だが事前情報の通り周りには飲食店とか何も無かった。セブンイレブンがあったのが救い。

セブンで買っても良かったけど、せっかくなのでとお昼はセミナー主催の先生がまとめて発注してくださったお弁当にした。

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めちゃ美味しかった。幸せ。

 

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均整灸のセミナーは本来であれば6日間、日本でのセミナーは通常2日間で行われるそうだが、今回は1日に凝縮した構成で、午前に理論、午後に実技という内容だった。講義はスペイン語で、均整灸を学んだ先生が通訳を務めてくださった。

 

有料セミナーの内容を自分の記録用とはいえオンラインに挙げるのは憚られるので詳しい内容は割愛するが、個人的にハッとさせられることが多かった。

 

お灸で姿勢にアプローチするとはどういう理論なのかを知ることができて、お灸やファシアについて、次にこういうことを勉強してみようとかあの本を読んでみよういう目標もできて次に繋がったのも良かった。今の自分は臨床でスーパー竹筒灸は使えないけれど(立場上)、少しずつ自分で試してみようと思う。

 

フィリップ先生のお灸に対する強い想いにも感動した。まず、漢字圏でもなく、日本から遠く離れたヨーロッパにいながら深谷灸を学ぼうというのが凄いことだと思うし、それを理学療法と合わせて臨床で活用するに至った考え、アイデアも凄い。自分は日本人で、日本語で書かれた本は読み放題で、灸をしても良いという資格も持っていて、灸ができる土壌にいて、灸を考え実践する環境はフィリップ先生の何百倍もあるのに、ここまでの情熱を持ってお灸をできていなかったなと少し反省した。お灸の可能性をもっと追求して、困っている人が少しでも楽になるようにお灸を使っていく気概を持とうと思った。

 

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そして、今回のセミナーは本編とは別の凄いお土産が。

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様々なメーカーの艾サンプル!!!!!

 

艾は一度買うと10gくらいでもなかなかの量で、特に透熱灸では毎日使ってもほとんど減らない。一度買ったらそれを使い切るまで他の物をなかなか買わないし、一度使いやすい物を手に入れたら他の物を検討しようという気にもなかなかならないんじゃないかと思う。色々買っても使いきれないし、良いものはそれなりの値段がするので試しに買ってみるにもなかなか手が出ない。台座灸や円筒灸のサンプルはたまに見かけるけど艾をそのままサンプルでもらえる機会はあまりないんじゃないかと思う(私が知らないだけかもしれないけど)。

 

だからこんなふうに様々な種類の艾を一度に触ったり香りを嗅いだり捻り分けたり燃え方を比較したり、なんてことは滅多にできない。自分が普段使っている艾以外にも、自分の手に馴染む艾があるかもしれないが触れる機会が無くては知ることもない。

 

今回のセミナーでは、お灸マニア(という言葉では表現しきれないくらいお灸大好きな方)でもある主催の勝元先生 (@katumotosinqin )のご尽力のお陰で、このような素晴らしいお土産がいただけたのだった。

 

特定のメーカーだけではなくて様々なメーカーの、さらにそのメーカーごとの様々な種類の艾を一度に触れるって、本当に凄いと思う。

 

知らないメーカーもあったし、知ってても触ったことがない物が殆どで、高ければ必ずしも自分にとって良いというわけでもなく、撚り心地や燃えたときの皮膚の感じなどなど、比べてみると本当に楽しい。セミナーからもうだいぶ経っているけど、ずっと遊べる。

 

私はこれまで「マイベスト艾イズ釜屋」派だったけど、今回カナケンの特選点灸用艾を初めて触って「これも良い…!」と感じた。亀屋佐京商店の家伝もぐさと小林老舗の雅も捨てがたい。小林老舗は、以前から最高級桐箱入艾が欲しいなぁと思っているので年内に購入予定。香りが良い。箱も綺麗。

 

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お灸の様々な可能性に触れて、もっともっとお灸を楽しみたい!と思えた一日で、遠方だったけど思い切って参加してよかった。

ありがとうございました。