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日常の記録。

読書メモ『名医が教える飲酒の科学 一生健康で飲むための必修講義』

 

こちらの本、読了したので簡単に内容と感想をまとめておく。

 

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本の概要

 

著者は酒ジャーナリストを生業とする女性。とにかくお酒が大好きで、コロナ禍で外に飲みに行かなくなった中で自宅での飲酒量が激増して5リットルの業務用ウイスキーを買って瞬く間に飲み切ってしまうような方だ。

 

この本は「流石に飲み過ぎでこのままでは健康に害が出るのでは…」と危機感を抱いた著者が、肝臓やがんやアルコール医療などの専門家に「酒好きが抱く健康への不安や素朴な疑問」をド直球にぶつけて回答をもらい、それらをまとめた本である。

 

決して「酒は健康に悪いから断酒しろ」という内容ではなく、一貫して「お酒が大好きだから、1日でも長くお酒を飲み続けたい」という考えで書かれており、そのためにいかに体への負担を減らして飲み続けるか、専門家の話を踏まえて妥協点(?)を模索して提案するような内容となっている。

 

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感想

 

著者は医療の専門家ではなく、この本も一般向けに書かれたものなので全体的に平易で読みやすい。解剖的な位置や作用機序の部分でもう少し知りたいと思った時は『病気がみえる』の消化器編とか参照するとより楽しめた。

 

全編通して一番印象に残ったことは「血中アルコール濃度を急激に上げない・長時間高い状態にしない飲み方が大切」ということだ。アルコールが肝臓で分解されるまでの間、腸から吸収されたアルコールは血流に乗って全身を巡る。その間にアルコールが脳などに作用してしまい悪さをするので、血管の中にアルコールがある時間を極力短くする、高濃度の状態を作らない、ということが体への負担を減らすことに繋がる。

 

ではどのように酒を飲めば血中アルコール濃度を急激に上げることなく、また血中アルコール濃度を薄めることができるのか?飲み方やつまみの選び方、ストレスになりにくい減酒の方法を、この本を読んで知った。

 

他に、飲んだ酒に含まれる純アルコール量の計算式も、この本で初めて知った。いつも自分が飲む酒の種類と量で計算したら、お酒は嗜む程度で好きという私ですら厚生労働省の推奨量である「1日20g」を余裕で超えていてびっくりした。

 

他にもがんの罹患リスクや逆流性食道炎、免疫への影響などについても書かれていて「お酒を飲むと体に何が起きて、どういう良くないことが起こるのか」を具体的に知ることができる。

 

「“何となく”体に悪そうだなぁ」「減らさないといけないのに飲んじゃう…」と漠然とした不安を抱え、罪悪感を感じながら飲み続けるより、「具体的に何が良くなくて、それはどうしたら避けられるのか」を知って飲む方が酒を気持ちよく楽しめる!と読み終わって思った。

 

あと、酒好きの人と話す時の面白トークで使えるネタにもなると思った。

 

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自分の読後満足度 ★★★★⭐︎

酒好きの人へのオススメ度 ★★★★★