Twitterの「いいね」の機能が変わってしまった。
「いいね」はできるし、自分のツイートに誰が「いいね」をしてくれたかはこれまで通り分かるが、他の人のツイートに誰が「いいね」したかが表示されなくなった。
なぜこんなことをしたのか!
失望である。
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職業柄(というほどまだその職に染まれてないのだが)、この数年専門書をよく購入する。
専門書は、そんなにたくさん売れるわけではなかったり、多分製作に相当な労力とお金が掛かっているため、どれもなかなか高い。
専門学校に入る前の会社員時代、新宿の紀伊國屋で4,000円の本を見て「高い」と思った。当時の自分の日常で4,000円の本を買うことは無かった。夏のボーナスが入った時にその本を買った。この職業で買った初めての専門書だった。
ところが専門学校に入りその感覚はすぐにバグった。勉強していくにつれて参照したい本が増え、もちろん図書室で参照したりちょっとコピーすれば良いことも多かったが、手元に置いておきたいと思う本が増えていった。中古も含め購入を繰り返す内に金銭感覚は狂い始め、気付けば4,000〜5,000円だと高いと感じなくなっていた。充実の内容の本が新品で3,000円代だと安くて感動する。8,000円前後は少し迷うが妥当かな。そんな風に思うようになった。
しかし、やはり高い買い物であることに代わりはない。専門学校の学費を貯め始めた頃位から現在に至るまで、私の可処分所得は月12〜14万円である。その中から月々必要なお金を出してほんの少しの貯金もして、残るお金は僅かである。そこから数千円の本を買うのはなかなか勇気がいる。数千円出してもし全く読まなかったら、その金はドブに捨てたも同然である。だから本を買う時は失敗を避けたくて慎重になる。
ここで急速に冒頭の話に戻るのだが、その失敗を避ける手段の一つがTwitterの「いいね」機能だった。この書籍購入の失敗を避ける便利な機能を奪われて、私は昨日から「おこ」なのであった。
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これまで、Twitterを情報源として多くの本をかってきた。その方法はといえば大した工夫もないのだが一応紹介するとこんな感じだ。
- 自分の求めている分野に明るい、または共感できるアカウントさんをフォロー
- その人がお薦め本を挙げていたらチェック
- そのツイートに誰が「いいね」しているかチェック
- 「いいね」した人のアカウントを見る(既にフォローして知っている方ならこのステップは省略)。怪しい人や過激な人ばかりが「いいね」「リツイート」している場合はこの時点で購入候補から外す
- 自分が納得できると思ったらAmazonで商品情報とレビュー、価格を確認して欲しい物リストに登録
- メルカリなどでも出品されていないか確認し、あれば「いいね」しておく(そうすると値下げされた時に通知が届くのだ)。
- お金に余裕がある時に欲しいものリストを漁る
- その時欲しい本を購入
- 買った本が良かった場合、その著者の他の本や参考文献に載っている本を調べる
- 芋づる式に良書が手に入る
と、こんな感じで購入する本を選んできた。
私が買う専門書は、いわゆる「トンデモ」と呼ばれるものが混ざっていたり、情報が古くて現代に合わないものもあったり、あとはどんなに素晴らしくても難解で自分には読めないものも多い。
そんなわけで特に大事にしていたのが「その本を良いと思っているのはどんな人達なのか」だった。
その分野の専門家がどういう視点でその本を良いと言っているのか。
コラムや専門雑誌でのかしこまった長いレビューではなく、Twitterという気軽な場所でどんな人に向けて、どんな風に発信しているのか、あるいは誰に共感してもらいたくて感想を述べているのか。
そんなことを考えながらツイートを見て購入する本を選んでいた。
リツイートや引用リツイートをしてくれていれば信頼度も爆上がりなのだが「いいね」と比べるとハードルが高い。「いいね」はみんな気軽にするから、頼りにしていたのだ。なのに!
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昨晩久しぶりに開いたスペースでそんな話をぐちぐちしていたら、スピーカーの方が「アダルトコンテンツにいいねしたのがバレないようにするためという噂がある」なんて話を教えてくれた。
アダルトコンテンツ!!!
エッチなコンテンツに「いいね」したことがバレると困る人たちのために!「いいね」の表示は廃止されたのですかーっ!
私は、エロを否定しないし、エロが無ければ人類は消滅してしまうし、文化としてのエロも嫌いではないけれど!
Twitterってその分野においてそんなに充実のコンテンツなのですか!「いいね」を廃止するほどの!?
そんなTwitter以外でもあるでしょ、もっと色々!私は知らないけど…あるよ、きっと!
と、なんかもうこれは、この情報自体ただの噂で真相は知る由もないし、根拠も何もないただの感情のぶち撒けで、個人的な恨み辛みなのだけれど、書籍購入の指標を一つ失って、悲しみでいっぱいな金曜日の夜でありました。