あん摩の実技補講に参加した。
今日のテーマの一つは手拳叩打法。上手にできると叩打した時に手からペチペチともポコポコともつかない、なんとも形容できない心地よい音が鳴る。
これが鳴るのがあん摩上達へのファーストステップの一つ。
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4月から、ずっと練習している。
と言っても、やるぞー!と気合を入れてやるのは授業中くらいで、後は動画を観ながら、おしゃべりしながら、手を動かす。
先生やクラスメイトから聞いたコツ。
・手関節以下は脱力
・脇は締めすぎない
・指先は軽く握る
・母指は脱力
まぁ、例の如く音が鳴らない。いつだって「やってみたら初めてなのにできちゃった!」を夢想してトライしても「自信過剰でやってみたけど全くできませんでした」な私です。強気で現れたくせに5分足らずで主人公に蹴散らされる雑魚キャラみたいな感じ。だから今回も音など鳴らない。
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話は戻って本日の実技補講。
叩打法から始まる。人数が少ないから先生が一人ずつ時間をかけて見てくれる。
既に音が出てる人もいる。片手だけ出てる人もいる。両方出ない人もちらほら。
正面に座った人も音出ない組。しかし先生のアドバイスを1回受けただけで音が出た…。(勿論これまでの積み重ねあったうえでの話だけど)
私は1周目のアドバイスでも音が出なかった。「形は悪くないんだけどなぁ。なんで音が出ないんだ。」と先生。そんなの私だって知りたい。
音が出るようになったクラスメイトを正面に見ながら羨む。音が出てる人全員に憧れる。みんなは凄いな。かっこいいな。
2周目のアドバイスが回ってきた。「形は悪くないんだけどなぁ。なんで音が出ないんだ。」と先生。じーーーっと私の手を見る。
「わかった、親指があっちこっちにブレてる。親指をまっすぐにしてやってみて。」
(親指を脱力しないといけないのにまっすぐな位置のままなんてムリだよ~)
と言いたくなったけど口答えしてもいいことないので(当たり前…)黙って手を動かす。やり続けてたら、なんと遂に音が出た!
わーい!
授業の最後は対人で肩に手拳叩打。ちゃんと両手から音が出たぁぁぁっ。
1時間前に憧れて見てたクラスメイトと同じことができるようになった!私すごい!
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これまでの自分だと、自分ができるようになった時点でその事の価値を自分の中で下げてしまう癖があった。
例えばテコンドーの蹴りとかも、できるまでは「これができる人は凄い…!」と思っていても、自分ができるようになると「私程度ができることなんで…」「大したことないんです…」みたいに卑下っぽくなっていて。もちろんそれができる「他の人達」は凄いままなんだけど、それをできるようになった自分をその凄い人たちと同列に考えられなくて。できるようになっても卑屈というかなんというか。
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でも、今日叩打法できるようになった時思った。
1時間前までこれ出来る人ってめちゃくちゃカッコイイって思ってたじゃん。
それ、今私もできてるじゃん。
1時間前の私が見てたら今の私めっちゃカッコイイ憧れの人じゃん。
憧れの人になれたんだ…!
周りと比べてじゃなくて1時間前の自分から見て、できてることの凄さを素直に認めようと思った。そっちのが楽しいし。
もちろん「上手くできる」わけではないし、そこに行くためにはもっと練習と技術が必要だけど、「できない」から「できる」になったのは凄い。「できない」から「上手くできる」にはジャンプできないから、まず「できる」ようになることが一番大事。「0」はいくら掛けても「0」のままだけど、「0」が「1」になったら掛けた分だけ増えていく。だから「0」から「1」になったことが大事だし凄い。
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ということで手拳叩打法で音が出るようになってルンルンな午前中でした。
「できない」に逆戻りしないように叩き続けるぞ~。