前回、前々回の続きです。
今回は、体験会を通して芽生えた思いについて、他の治療の経験で感じたことも交えて書きます。
めちゃくちゃ主観的で体験会自体の感想とはズレている部分も多いので、会の様子が知りたい方は他の方の感想へジャンプすることをおすすめします!
それでもいいよ!という方は以下へお進みください。
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新しく芽生えた目標
治療を終えて強く思ったのは「東洋医学の効果を自分の言葉で言語化して理解したい」ということだった。
以下、体験会の話から一旦逸れる。
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ごく最近まで私の好きな鍼は「筋肉や神経にアプローチ!」というスタイルだった。7年前に肩凝りの治療で初めて受けた鍼がそういうスタイルで、それがすごく気持ち良く、私の鍼好きはそこから始まっている。それが全てではないけれど、その時の経験があったから鍼師になりたいという思いも生まれた。
長い歴史を経て受け継がれてきた東洋医学的な考えや理論も好きだけど、一度経絡治療を受けてあまり効果を感じられなかったこともあり、読み物・知識としては好きだけど…という思いがどこかにあった。
その考えが体験を通して変わったのが去年の年末だった。
ずっと気になっていた近所の鍼灸院に治療を受けに行った。行く前から分かっていたけれど、そこは私が好きな「筋肉にアプローチ!」というスタイルの治療院ではなく、経絡に基づいて治療をするスタイルだった。私はそこの先生が書く養生論がずっと好きだったので、自分の好みがどうとかいうより「その先生の治療を受けてみたい」という思いが強くて治療を受けに行った。
その時の治療は、脈を診て、腹診して、問診して、直接灸と鍼。鍼は患部に直にゴリゴリ刺す感じではなく、経絡に沿って優しく刺す感じで刺激していく。置鍼も少し。患部にも刺したし少し響きはあったけど、深くは刺さず、本当に浅い感じだった。
私がよく鍼を受けていて「クゥ〜!効くぅ〜!」と感じるようなズーンと響くような刺し方ではなかった。
なのに!終わったあとのスッキリ感が、その日はすごかった。サウナじゃないけど「整った〜!」という気持ちだった。「中庸に戻るってこんな感じのことを言うのかな…」とぼんやり思いながら帰ったのを覚えている。
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閑話休題。
今回のおかの先生のていしんを受けた時も同じ感覚だった。身体の何かが確かに整った。
一日経って自分なりに考えてみて、ていしんで呼吸が楽になった→身体に入っていた余計な力が抜けた→肩の力が抜けて肩の痛みが軽減した、と推測したけど、じゃあ呼吸はどのタイミングでどうして整ったのか?という疑問が残る。
おかの先生のていしんも、筋肉にゴリゴリアプローチしたわけではなく、経絡に沿ってていしんを当てていくのがメインだった。
凝っている筋肉や神経にダイレクトに強い刺激を与えなくても身体は変化する、痛みの軽減など治療効果が出る…。本で読んで知識としては持っていた東洋医学の効果、鍼灸の力が自分の身体に起こった…。
それを承けて、本当に正直な気持ち…「どうしてなのかわからない!」
いや、理屈としてはなんとなく分かる。だけど今の自分はそれを言語化して人に伝えられない。
本に書いてある東洋医学の理論は本当で、ゴリゴリ刺したり押したりしなくても効果があるんだよ!くらいしか言えない。
多分こんなこと言ってもあんまり伝わらない。特に鍼灸に何にも関係ない友達とかには。絶対みんな筋肉とかのがイメージしやすいと思う。
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私は、自分が好きなものやいいと思ったものを人に薦めたいし紹介したい。自分が鍼灸師になったら、ていしんができるようになったら、身近な人に薦めたい。だってすごく良かったもん。
だけど、自分が理解できて言語化できないと人には薦められない。きちんと伝えられなければ、いくら薦めたところで刺さらない。自分がわかってないのに、人にわかってもらうなんて無理なのだ。何事も。
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これから学校に入ったら色んな角度から鍼灸について学ぶだろうけど、今自分がモヤモヤしている東洋医学への疑問、言語化できないけれど身体が実際に感じた効果…それがなんなのか、勉強しながら探っていきたい!卒業する頃には友達とかに理解してもらえるように、自分なりにでもいいから理解してしっかり言葉にできるようにしたい!
鍼灸の世界は海のように広大だし、数年学生やったくらいでそこまでいけないかもしれないけれど、そういう目標も持って勉強に取り組みたいなと今回の体験会でていしんを受けて思った。
年末の治療と今回の治療の経験が続いたことで、自分の考えに変化が起きて、これからの学びに対する姿勢も少し変わった。
これからも、色々な治療を受けたり、新しい知識に触れる度に少しずつ考えが変わっていくだろうなと思う。
狭い視野に囚われず、あんまり色々怖がらないで、色々な考えに積極的に触れて、良い方向に進んでいきたいな。