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日常の記録。

初めての中医フル施術・自分の課題がちょっとわかった日

今日は臨床基礎実習で中医鍼灸の練習をした。2チームに分かれて、90分丸々使い、代表学生が患者役の学生に四診〜弁証〜配穴〜刺鍼までをやるという内容。できるかどうかわからないけど勉強したことをやってみたい!と思って施術者役に立候補してやらせてもらった。

 

授業の内容は割愛するけど、実際にやらせてもらって自分の課題が分かった気がしたからそれをまとめておく。

 

【課題だと思った事】

①聴いて分かることも自分がやると見落とすし忘れる。

 

弁証や刺鍼の技術はともかくとして、問診は少し自信があった。そもそも聞く項目が決まっているからそれを聞き忘れることはないだろうとちょっと思っていた。だって問診票があるし。しかし!それでも!聴き忘れた!今回チーム戦というか、周りに同級生がいたから「あれ訊き忘れてない?」「これ訊かなくていいの?」などツッコミをもらえて、どうにか問診票が埋まった。訊き忘れたのは飲食とか。いや、めっちゃ大事なやつ!

 

②問診取りながら弁証推論って思った以上にできない。

 

問診しながら、主訴に合わせて推察される弁証の裏付けを取った方がいいって頭ではわかってた。例えば不眠が主訴だったら「熱かな?」「心神の滋養不足かな?」「それって何が原因で起きてるのかな?」とか。まぁ想定外の主訴ではあったけど、主訴を聞いた時点でもう少し弁証の道筋を立てたかったし、それに合わせた問診をしたかった。でも想定される弁証候補がパッと思いつかなくて、何の情報を重点的に取ったらいいのか迷ってしまってごちゃっとした問診になった。

 

③舌診の知識が曖昧

 

折角結構分かりやすい舌だったのに、自分の知識が曖昧だったせいで舌診の情報を弁証に生かしきれなかった。

舌のパターンをしっかり暗記する!

 

④脈診の浮沈・虚実はもっと数見て練習必要

 

⑤使う鍼の選び方、刺す順番、抜く順番めちゃくちゃ

 

これ、ちゃんと習ったのに!自分がやることになったらすっかり忘れた。

 

⑥目の前の患部に鍼を刺すことに集中し過ぎて周りが見えなくなる

 

単純に危ない。常に患者の全体・ベッド周りに目と意識を配ること!

 

【思ったより良かったこと】

①弁証で、先生と大きな方針の違いがなかったこと

 

もちろん自由に証を決めていいし、絶対の正解がないものではあるけれど、あんまりにも病位や病態が目の前の患者にそぐわなかったらダメなわけで。その点、自分の立てた弁証や配穴は先生が後から出した見解とも大きくズレてなくて、そこまでトンチンカンではなかったのかなぁと思った。

 

もっと何もわかんなくてめちゃくちゃな証を立てて「何にもわかってない!」ってなるかと思ったけどそうはならなかった。勉強したことちょっとは身についてるのかな…と自信になった。

 

②四診で、弁証を意識することができた

 

課題で書いたところと矛盾するかもしれないけど…上手くいったかどうかは別として、「考えられる弁証を意識して問診するように努力した」という点では良かったのではと思う。その意識があるかないかでこれからの問診の精度が変わってくるんじゃないかな〜なんて。

 

③鍼をまっすぐ打てた

 

先月の頭くらいまでかな。中医の先生から「鍼先が目標に届いてない」「鍼先が体内で曲がってる」「まっすぐ刺さってない」「鍼が死んでる」などなどめちゃくちゃ注意されていて、その原因の一つが強過ぎる押手だった。刺鍼については本当いっぱい指導頂いていて、先生も本当のことをハッキリ言うから(私がそれを望んでのことではあるけれど)、あんまりにもあんまりで、家帰ってから泣いたりしてた。

 

で、泣いててもしょうがないので教わったことに注意して練習をしてて、特に押手は気をつけるようになった。今もまだ失敗するけど、意識するポイントを教わった分前よりは精度が上がったと思う。今日は綺麗に打てた。効くかどうかはちょっとまた別だけど…同級生も「綺麗に打ててる」と言ってくれたし、前までガタガタだったから、目に見えて変わったのは嬉しい。

 

【良いかどうかは分からないけど自分的には良かったこと】

①刺鍼部位を確認して鍼先を意識できた

 

これも効いたかどうかはまた全然別の話だけど…

自分のダメだったところの一つが「鍼先がどこに向かって刺さっているかハッキリしてないのに刺してたところ」だった。

教科書的な体表のツボの位置に鍼を刺しては見るけど、刺した先で一体何がしたいのか?そもそも体表から下の何を狙って刺してるのか?それが漠然としていて。もちろん得気も得られないし刺した手応えもない。意識できてないから何も感じない。でも何をどう意識したらいいのかわからなくて。

 

この前先輩とあん摩の練習をさせてもらった時に触り方のアドバイスをもらって、それでようやく自分の中で基準ができて、ツボを探る時の位置や角度を意識できるようになった。それが合ってる時もあれば外れてる時もあるんだけど、ひとまず「この1本を何に刺したいか」を意識して鍼を刺すようになった。

 

まだサッと触ってスグ分かるレベルでは到底ないから、とにかく何度も触って患者役の学生に圧痛の位置や角度を確認して、自分がこれだと思った位置と角度で刺すようにした。何度も言い訳がましいけど、自分がこれだと思うだけでその鍼が100%的中というわけではない。でも今はまだそれでもいいかなと思う。基準があるからハズレが分かるんだっ。

 

この様子が、同じチームで見ていたクラスメイトからはもどかしく見えたようで「限られた時間の中で全部終わらせないといけないんだから。鍼1本刺すのに時間かけ過ぎ」と言われてしまった。みんなには申し訳なかったかもしれないけど、せっかく鍼を打たせてもらえる場だったから、1本1本考えて大事に打てたのは良かったと思う。まぁ、それでも角度微妙だった鍼あったけど…太衝とか崑崙とか。

 

②患者の言いなり祭

 

主訴が想定してなかった運動器疾患だったこともあって、弁証取穴と一部局所以外は、患者役の学生の「ここ打ってほしい」のリクエストに応えて打つ、みたいになってしまった。

 

でも、やってみてそれで良かったと思った。

 

自分は、まだ刺すべき場所も、どこに刺したらどんな風に効くのかもわからない。わかってると思っているのは机上の空論で、実際刺したらどうなのかはわからない。

 

患者役の教えてくれる場所に言われた通り打って、それがツボならそういう症状の人にはそのツボを使えばいいんだし、啊是穴ならそれはそれで、その辺りを打てばいいという目安になるだろうし。

 

ツボの位置も、角度も、深さも、患者に教えてもらってやってみて、後からそこが何だったのか調べて自分の中でデータを蓄積していけば、そのうち教えてもらわなくても自分から手がスッと伸びて打てるようになるんじゃないかと思った。

 

「患者が育ててくれる」って、こういうことも言うのかなぁとか思ったり。

 

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ざっくり纏めると、

勉強してきたことや方向性はそんなに間違ってないから、このまま勉強を続ける、曖昧な知識を強固にする、取穴と刺鍼の経験がとにかく少ないから対人での練習量を増やして場数を踏む。

 

これをすればもう少し成長できるかな。

 

せっかく楽しいと思えるものに出会えたから、一歩ずつでもレベルアップしたい。