鍼灸やあん摩マッサージ指圧に関係がある本以外で1,000円以上の本をあまり買わない私にしては珍しく、本屋で2,300円で新しい本を買った。今年9月に出版されたばかりの、文字通り「新しい本」だ。9月に出て、既に第3刷と書かれているから売れている本なんだなと思った。周りにも読んだ人がいるかもしれない。
タイトルを見た瞬間に反射的に思ったこと
- 自分が目が見えなかったら美術館に行こうと思わないだろう
- なぜ「白鳥さん」という方は美術館に行こうと思ったのか?
- まだ目が見えていた頃に美術館に通っていて美術館の空気が好きだったとか?
- もし自分に目が見えない友達がいたとして美術館に行こうと言われたら驚くだろうな
- 一緒に行く人はどんな人なのか?
- 視覚障害の方に絵を説明したりする仕事があるのかな?
- それとも美術の専門家と行くのか?
謎だらけである。
どんな内容なのか気になって、あんまり良くないと思いつつも30ページ程立読みしてみた。
一番の疑問「白鳥さんはなぜ美術館に通うのか?」の核心については30ページでは触れられていなかったけれど(大事な所だと思うから後からどこかで書かれているのだろうと推測)、それ以外は全部的外れだったことが冒頭だけで分かった。
まず、この白鳥さんという方は生まれつき極度の弱視であり、色を見た記憶がほとんどないということ。
一緒に行く人(作者)は美術の専門家や視覚障害者支援の専門家ではない。一緒に行くもう一人の友人の方(マイティさん)が何者なのかはまだ触れられていないけれど、少なくとも美術の専門家ではない様子。
そして目が見えない人もどうやら美術館を楽しめるようだということ。タイトルを見て私が想像した楽しみ方とは違う楽しみ方だということ。目が見える人が、目が見えない人を通して絵画を見ることで、これまでの「見る」とは違うものが「見える」ということ。それが面白いということ。この辺りは読み進める内にもっと深堀りされていくはず。
私にとって今最も身近な視覚障害の方は『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』のユキコさんと空ちゃんと青野君だ(ドラマだけど…)。
ドラマの中で青野君が色を概念として理解しているという話が出てきて、そのシーンを観た時にはあんまり意味が分からなかったけど、この本で白鳥さんという方が説明している文を読んでちょっとだけ理解した。
とにかく色んな角度からの興味が尽きない本で、気付いたらレジで会計していた。
なぜ目が見えない白鳥さんは美術館に行くのか?
一緒に行く人はそこで何を思うのか?
続きを読んでみよう。