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日常の記録。

『定型文』の先にあるもの

鍼灸マッサージ師になりたい!と決意表明をして576日前(2019年9月3日)から入学する日を指折り数えてきた私。「カウントダウンが早過ぎる!」と友人達に指摘され続けてきたものの、いよいよ入学まで両手両足に収まるくらいの日数になってきた。会社員として仕事をするのもあと5日。いつの間にこんなに時間が過ぎたかな。

 

というわけで、会社員生活の初期に学んで、地味にその後も役立っているポイントを書いてみる。しばらく会社勤めはしないけど、学生気分に戻ってせっかく育った社会人精神が退化しないよう今後の自分のために。

 

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入社して最初の上司はとにかく細かい人だった。見積書の、ある部分のスペースが全角だったら「半角じゃないとダメ」と差し戻されたり…ペーペーのくせに反抗心は一人前で「内容がちゃんとしてたらここ1箇所が半角か全角かなんてどうでもいいだろ〜」とか思ったりもしていた。

 

しかし上司の考えは「お客さんに出すものだから美しくあれ」で一貫していた。「それ受け取ったお客さんが読みたいと思う?」「それ受け取ったお客さんが読みやすいと思う?」しょっちゅう言われた。

 

更に厳しかったのは電話応対。私の部署の仕事は電話6割という感じでとにかく電話が多い。最初のうちは電話一回終わるごとにダメ出しされてストレスだったけど、振り返ると大事だなと思うことが多い。 色々あるけど3つだけ書いておく。

 

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その①時間を気にかけろ!

12時前後の電話は極力かけないようにしていた。理由は昼食の時間だから。誰だって昼休みを邪魔されたくない。昼食前は空腹でイライラしている人もいる。どうしてもこちらの都合でかける時は必ず「お昼時にすみません」と一言添えてから話す。応用として、夕方にBtoCで電話をする時は「お夕飯時にすみません」。もちろんどのタイミングでも「今お時間宜しいでしょうか」は二言目に必須。この一言があるかないかで相手の反応は全然違う。

 

その②電話代を気にかけろ!

これはBtoCで折り返しの電話をもらった時。「折り返しありがとうございます」の次は「お電話代がかかってしまうのでこちらからおかけ直しさせて頂いても宜しいでしょうか」である。こちらの通話料は経費。相手の通話料は家計。ご主人の場合社用携帯を使っていることもあるけれど、奥さんはプライベートの携帯のことが多い。今は「何分通話無料」といったプランもあるけれど込み入った話の時は通話が長引くこともある。一度切ってかけ直しは結構喜ばれる。

 

その③必ず「お土産」を持っていけ!

お土産、というのは対面の場合は文字通り手土産の場合もあるけれど、電話での「お土産」は情報のこと。こちら側の都合で相手に電話をする時は、できるだけ何か相手にプラスになる情報を用意してから電話をする。こちらの用件だけを一方的に話された、とお客さんに思わせないように、何かお客さん側にも得るものがあるように準備する。

 

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最初の頃はこれを『型』通りにやっていた。上司に言われたから、注意されるから。しかし、続けていくうちに段々気持ちが込もってきた。というか相手の都合を考えられるようになった、と思う。

 

「今どんな状況か?」「今電話が来たら困らないか?」「こちらの都合だけで電話してないか?」「相手は何が欲しいか?」通話ボタンを押す前に一瞬思いを巡らせるのが習慣になった。

 

相手の都合を考えて、相手の立場に思いを馳せ、思いやる。一言添えたり、電話代を気にしてかけ直したり、お土産を用意したりするのはその表れとしてであって、ただの定型文ではなかった。

 

こういう思いは電話越しと言えども相手には伝わるもので、お客さんとのやりとりもスムーズになり始めた。あと、定型文的に話さなくても状況によって自分で考えて相手とコミュニケーションが取れるようになってきた。

 

金銭交渉の揉め事も今はだいぶ減ったし、成長したな、私(自画自賛)。

 

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「社会人のマナー」と言ってしまえばそれまでだけど、どうしてそう言うのがマナー?と、そこまで考えて行動できると結構いいね、と思う。偉そうに言っておきながら、私自身未だに超未熟で完璧にできるわけでもないのに、そんな状態のままサラリーマン辞めちゃうけど。

 

特別なスキルではないけれど、会社員として働いて身につけたこういう感覚はこれからも大事にしていきたいな〜。